ジャズは人種や国籍を超え、心と心をつなぐ―。ジャズとは、多様な音楽や文化が混ざりあってできる融合体。場所や人によって形を変え、表現者の感情によっても変化します。それは、何ものにもしばられない表現=「自分らしさ」を生み、人種や立場を越えて人と人の心をつなぐ可能性を持っています。私たちは、このジャズの持つ力を多くの皆さんに体感してもらえるコンサートやセッションなどのイベントを県内各地に展開し、ジャズをツールとした地域活性化に取り組みます。また、学校現場や福祉施設などでの演奏会やワークショップも積極的に行い、音楽を通して、未来を担う子どもたちが「自分らしく」「自由に」成長していけるよう支援していきます。
この度、宮崎のジャズを愛する仲間たちとともに一般社団法人宮崎県ジャズ協会を立ち上げることとなりました。私の愛する宮崎の多くの人たちに、自由の象徴でもある「ジャズ」の楽しさ、面白さを伝えていきたいと思います。
皆さんは、「ジャズ」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?「気難しい」「近寄り難い」。そんな風に思っている人も多いと聞きます。私も以前はそう感じていました。
クラシック音楽を出発点とした私ですが、ジャズの持つ可能性に興味を引かれ、宮崎でジャズを独学で勉強して3年ほど活動した後、もっとジャズの真髄を学びたいとアメリカ・ニューヨークに渡りました。
そこでは、あらゆる人種、文化がひしめき合い、影響しあって存在していました。ジャズもまた、様々な文化と融合しながら絶えず変化していて、個々のミュージシャンは自分の表現したいものを懸命に追求していました。その中で私は、自分がそれまでジャズだと思い込んで来たものはとても狭い見解のものだと実感しました。共演者や、観客や、その空間(会場)と「コミュニケーション」しながら、幾つにも形を変えていく「ジャズ」の本当の楽しさ。観客と演奏家と空間がまさに一体となる。素晴らしい体験でした。
5年間の活動を経て子育てのために帰郷したのをきっかけに、県内各地で音楽活動をスタートさせました。その際、お客様から「ジャズを初めて聴きました」「ジャズって楽しいですね!」「ほかにはどこで聴けますか」といった言葉を多数いただきました。ジャズを演奏しているお店もあるのですが、お店に足を運ぶのはなかなか大変だったり、勇気がいったりするという現状も知りました。そこで、もっと私たちの方から県内各地に出向き、多くの方に「ジャズ」を知ってもらう機会を作ることにしました。
そして、このジャズが持つ「自分らしさの表現」と「コミュニケーション」の力を使って、未来を担う子供達の「自分らしく」「自由に」成長するサポートができるような活動も企画していきたいと思っています。
大好きな宮崎の未来が、もっと明るく輝くことを願って―。
一般社団法人 宮崎県ジャズ協会
代表理事 香月保乃